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もうすぐ春分。流れる季節の真ん中で、ふと日の長さを感じます。せわしく過ぎる日々ですが、3月の風に吹かれて歩いていると、緑道のそこかしこで小さな蕾がほころび、芽吹いた新緑がまぶしく輝いています。錆色の堅い芽が膨らみ始め、桜のつぼみは春へと続きます。

散歩しているときにふと立ち止まり小川を指差します。彼の視線の先には背びれを揺らせて、何とも優雅に泳ぐ鯉の姿がありました。先月まではじっと体を動かさず、寒さに耐えていた鯉たちも小川の水が緩んだのか、春の訪れを感じているようでした。

早咲きの桜を見つけた彼は照れながら目を輝かせて「写真とる？」とつぶやきました。小さな春を見つけました。すぐ隣りで歩いていた彼女もやさしく微笑んでいます。

少し照れているあなたの横で、新たな世界の入り口に立ち、気づいたことは１人じゃないってこと。

職員も同じ気持ちです。みなさんと一緒に歩いているこのひと時の幸せ。花咲くを待つ喜びを、分かち合えるのであればそれは幸せ。

大橋えのき園にとって今年の３月９日は、そんななんでもない１日でした。

 Tribute To Ryota Fujimaki